こんにちは、ゆきみです。地学系の博士課程の大学院生です。
今回はドイツで遭遇した洗濯機のトラブルについてのお話です。
ドイツに来て半年経つ頃から、洗濯機が脱水しないトラブルが頻発するようになりました。
ドイツの洗濯機はドラム式が主流ですが、私のアパートに備え付けのものは乾燥までしてくれるタイプではありません。
日本の賃貸物件だと大抵浴室付近に洗濯機置き場(プラスチックの平たい台座)があって、洗濯機の設置場所は固定されていることが多いのではないでしょうか。洗濯機置き場の底面にはホースに繋げる排水設備がありますよね。おそらく洗濯機の排水は弁の開閉のみで重力によって排水されるものだと思っています。
ドイツのアパートにはそういった備え付けの洗濯機置き場はなく、排水設備は壁に横向きに設置してあることが多いようです。それに合わせて洗濯機の排水はポンプで排水設備(配管)に導くような仕組みになっています。
そして、おそらくこの排水をポンプに頼る機構に発生したトラブルを原因に、ある日突然、洗濯機が排水しないようになってしまいました。
その日はアパートに備え付けで置いてあったタオル地の床拭きワイパーのタオル部分1枚だけを普通モード・90℃の設定で洗濯した日でした。脱水まで含めたコースの洗濯が終わって「Ende(終了)」のランプが点灯したので様子を見ると、中はちゃぷちゃぷで窓の下端あたりまで水がたまっていました。なんと、排水が行われていなかったのです!
「Tür(ドア)」のランプは点灯していて中身を取り出せる状態になっていたのですが、この水位ではドアを開けることもできません。若干の水濡れは覚悟して慎重にドアを開け、中の洗剤カップを取り出し、せっせと水をバケツに汲み出す作業が始まりました。ドラムの中の水をある程度汲み出すと水位が低くなって、今度はカップで排水するのにも限界がきました。
もうお手上げ状態でしたが、説明書を見ると洗濯機の下部のカバーを外すとねじ式キャップのようなものがあり、そこをゆっくり開いていくとちょろちょろと水が出てきました。洗濯機下部のカバーの形がちょうど縁のあるトレイのようだったので、それを水受けにして、キャップをわずかに開けて、ちょろちょろ出てくる洗濯機内の水をトレイに出してはバケツへ捨てる、という作業で、なんとか水位を下げられました。
ドイツ人は日本人ほど洗濯機を頻繁には使わないというような噂話も聞いていたので、もしかして私の洗濯機の使用頻度が想定より多かったから電気系統かポンプ系統に負担をかけてしまったのかな、とも思いましたが、毎回排水されないとなるとさすがにおかしい気がしてきました。そのうち、洗濯・すすぎ1回目・すすぎ2回目・脱水、の合計4回も手動で水抜きしなくてはなくなりました。大家さんにはすぐに連絡したものの、たまたま大家さんがアパートに来て様子を見てくれたその日に洗濯機が普段通り洗濯できてしまったために(なぜだ!)、大家さんはそのまま帰ってしまい、その日は解決に至りませんでした。
なんということか...。その後、やはり洗濯機の不調は元にもどってしまいました。それどころか、いつまでも洗浄を終えないでずっと注水しては洗濯し続けるようになり、1日に何時間も洗濯にかかるようになってしまいました。平日、朝から夕方まで研究に明け暮れて、頭も体もくたくたになって帰宅してから、汗だくの服やタオルを入れて洗濯機をまわし、深夜になってぼろぼろの状態で、なかば絞り切れてない洗濯物を手で絞って干す...。しんどくて、ラボの友達に「くまできてるよ?大丈夫?」と聞かれたこともありました。ドイツの洗濯機はとにかく音もすごいので、洗濯中もストレスフル。近所迷惑にもなりそうだし、そのうち洗濯物をためてかけるようにしましたが、季節柄やっぱり汗をかいた服を何日もおいていると臭くなるし、電気代や水道代も恐ろしくなってくるしで、精神的にも参ってきました。
そしてついに、洗濯に半日かかってしまったとき、大家さんに見せる写真も撮ってメールを送りました。ネットで調べたら、大家さんに文句を言うのは正当な主張だという意見もあれば、主張をしたところ「新しい住人が見つかったから出て行け」というメールを受け取ったという人もいれば、あるいは、外国人入居者をかばってくれる弁護士を介して裁判になったり、もう怖いことばかりで...。
なかばクレームのようなメールを送ることによる将来像がいろいろ浮かんでしまって、かえって不安になり、なかなかメールできなかったのですが、やはりさっさと洗濯機が壊れていることは主張すべきだし、体力とメンタルが限界だったので勇気を出すことにしました。
この洗濯機事件とほぼ時を同じくして発生していたハイツング動かない事件というのがあったのですが(また別のときに記事にするかもしれません)、そのとき結局うちのハイツングは端っこしか暖かくならなくて、来たる真冬が大丈夫なのかものすごく不安でいっぱいだったのですが、それでも大家が「これでも十分部屋はあったまるから冬は大丈夫!」と笑顔で帰っていき、それをお向かいさんのフランス人のおばさまにチャットアプリ越しにハイツングのトラブルについて話したときに(お向かいさんはちょっとひょうひょうとしたおばさんで、このアパートはテレワークオフィス扱いで定住してないので、直接話すことはあまりないですが、よく気にかけてくれる優しい人です)、「大家の言うことは鵜呑みに(信用?)するな(笑い顔のスタンプ)」とひとこと飛ばしてくれたというのもあり、それも背中を押してくれたきっかけの1つにもなって、洗濯機についても正しく冷静に主張しようと勇気を出してメールをすることができました。
待つこと数日、なんと大家さんから「新しい洗濯機を購入します」のメールが!!!!!!もうどれだけうれしかったことか。苦しかったことか。はああ、と力が抜けました。騒音、電気代、水道代、匂い、(それにこの洗濯機は入居時から注水時に硫黄のにおいがしていて、バクテリアが繁殖しているのではと何度か言ったのですが、パイプは新品だからそんなはずはないと取り合ってもらえず、これまで洗濯した自分の洋服がたまに硫黄のにおいがついてたりして、生理中の敏感なときなどはとくにしんどかったのもあって)....いろいろな苦難からやっと解放されるんだと少し安堵しました。
まだ完全には気が抜けません。取り付けをなんと業者でなくて、大家さん自身がするというのですから...。ハイツング動作しなかった事件のときもだいぶ不安だったのですが(あのときはお向かいさんからも働きかけてくださって地下のポンプを直す業者が入ってどうにか直った)、洗濯機は排水パイプをミスったら階下の住人の部屋に水漏れ(顔もあわせるおばさまなのでよけいに心配)するし、なぜそんな大事なとこ業者じゃないのか?と驚きでもあるのですが...。
というか、高い家賃を必死で払ってるんだから、そこは業者呼んでよー。
洗濯機代金についても触れられてないけど、まさか退去するときの後払い代金に含まれないよね??ドイツの光熱費込み物件では、毎月の家賃に光熱費が含まれてはいますが、ある程度を超過した分の料金は1年後に上乗せするかたちで精算されます。そこも計算が人によりで(なぜだ!!)、ずさんな人はずさんらしいし、それで儲けようとわざとする人もいるし、もちろんちゃんとしてる人もいるし...らしいです。こわすぎる。そこに洗濯機代までのっかったら、私みたいなびんぼう日本人地学系博士課程大学院生なんて破綻します...。
とにかく、あと数週間は新しい洗濯機が届くまでいまの洗濯機を使うしかないので、しばらくはがんばって手動排水し続けます。洗濯物も、なるべく乾きやすいスポーツウェアを着て、なんなら手洗いしちゃったほうが早いし(フィールドワークのときとか、オーストラリアやシンガポール行ってたときなんかは、ホテルやバンガローやキャンプで自分で手洗いして干してたし)、手洗いなら電気代0だし。うん、適応していくしかない。乗り切るしかない。
がんばります。今日は、ここまで。
(ちなみにドイツの洗濯洗剤の中には付属のカップで洗剤の容量を測ってカップごと洗濯機に投入するタイプのものがあり、今回はそのカップも投入しています。余談ですが、はじめはそのカップを計量カップとしてだけ使っていたのですが、どう考えても洗剤容器の蓋の形ではないんですよね。。洗剤投入口に洗剤を入れた後に、邪魔なので仕方なく洗剤容器に被せるのですが、残った洗剤が容器側面に垂れて不便を強いられていました。いい加減困ってその洗剤名をネットで調べてみると使用方法の動画があり、そこで計量カップごと洗濯機に入れて回すものだということが判明し、大変な衝撃を受けました。某番組のモヤッとボールのような形をした、洗濯機に入れるランドリーボールをお店で見かけることはありましたが、それと同じ要領のようです。確かにその洗剤カップにも気持ち程度のささやかな凹凸はついていました笑)
(写真)排水作業中。洗濯機下部のカバーをトレイにして水をちょろちょろ出してはバケツへ。溝はガムテープでふさいでトレイにしてますが、漏れるのでタオルで受けています(汚い水なのであんまりしたくなかったけど...!)。あんまり入れるとガムテ部分から漏れてきたりするし、キャップを開けすぎるとドバッ!と出てきて結果が水びたしになるし、慎重に100ccくらいずつしか捨てられない。もーう、疲れた日にやるもんじゃないです。毎日一生懸命研究するし土日も論文書いたりデータ整理したりで仕事してるようなもんだし、疲れてないことなんてないけど、なるべく明るいうちに洗濯してます!はやく新しい洗濯機来てくれーい。
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